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The Great Lake

 ホグワーツの地表の一部は、マグルの居住するエリアでは生存が困難な魔法生物のために手付かずの自然状態にされている。

 湖は、マグルの自然愛好家が喜びのあまり気絶してしまうような––それより先に恐怖に襲われなければの話だが––生物が溢れている。グリンデロウ (獰猛な小さい水魔) や、マーピープル(頑丈なスコットランド種族)がいる。大イカは半分飼い慣らされており、晴れた日に浅瀬で日光浴している時は生徒に触手をくすぐらせてくれる。

 大イカは謎めいた生物だが、実在している。その異常な巨体は世界中で波に打ち上げられてきているが、大イカがマグルの映画で初めて描かれたのは2006年だった。私は彼らが魔力を持っているのではないかと強く疑っている。


J.K. ローリングのことば
 湖は『炎のゴブレット』で競技者たちが立ち向かわなければならない第2の課題の舞台となっていますが、それは私の好きな課題でもあります。とてもぞっとします。競技者が水中で息をするために用いた多様な方法を気に入っていますし、これまで見ることのなかった地表の一部の水深を測ることも楽しかったです。『秘密の部屋』の下書きでは、ハリーとロンがフォード・アングリアに乗ったまま湖に突っ込み、初めてマーピープルに遭遇することになっていました。そのときは、湖がどこか他の場所へ繋がっていて、物語後半でマーピープルが果たす役割は正規版で果たしたよりも大きいものになるだろうという漠然とした考えを持っていたので、ハリーは湖にもマーピープルにもこの段階で出会っておくべきだと思っていたのです。しかし、暴れ柳は湖よりも納得のいく、よりショックの少ない衝突で済み、のちに『アズカバンの囚人』でも重要になってくることがわかりました。ホグワーツの湖は (スコットランドの湖そのもので、おそらく淡水で陸に囲まれている) は海や川への入り口へは進化しませんでしたが、『炎のゴブレット』でダームストラングの船が湖中から登場したことは、魔法のかかった船で旅をすればどこか遠い場所の水路へ魔法で近道することができるかもしれないという事実をほのめかしています。


著: J. K. Rowling/訳: MORE 4 JP

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