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ポートキー

Portkeys

 姿現し (自分の意志で消えてまた現れる) ができない魔法使い、日中に移動したい (つまり箒、セストラル、空飛ぶ車やドラゴンは不適切) 魔法使い、目的地に暖炉がない (煙突飛行パウダーは役に立たない) 魔法使いは、ポートキーに頼らなければならない。
 
 生き物でなければほとんどなんでもポートキーにすることができる。一度魔法をかければ、それを掴んだ人は誰でもあらかじめ決められた目的地に移動することができる。ポートキーには、掴んだ人 (複数人でも可) を決められた時間にのみ移動させるよう魔法をかけることもできる。この方法では、大人数の魔女と魔法使いの到着と出発の時間をずらすことができ、クィディッチ・ワールドカップのようなイベントを秘密が脅かされるリスクを大幅に軽減して行うことが可能になる。

 秘密が最重要事項で大規模移動が計画されている場合、通りかかったマグルに取るに足らないゴミのかけらだと思ってもらえるように、ポートキーに選ばれるのはありふれた物で、人里離れた場所に隠される。しかし、アクシデントは起こってきた。2003年に、犬の散歩をしていた2人のマグルがクラッパム・コモンで犬たちが古いスニーカーを奪って逃げたため、誤ってセレスティナ・ワーベックのコンサート会場に移動してしまった (残された苦悶に満ちた魔女と魔法使いの集団は、願わくば古いポテトチップスの袋やタバコの吸殻を掴み取れないかと広大な空っぽの芝生を死に物狂いで探した)。マグルのドッグウォーカーの1人はセレスティナに、ステージに来て「熱く強い愛の大釜」をデュエットしようとさえ言われた。頭を抱えた魔法省が公式に実行した忘却呪文はその時は効いたように思えたが、彼はそれからセレスティナの世界的ヒットソングに不思議なほどそっくりなマグルの人気曲を書いた (ミス・ワーベックはそれを面白いとは思わなかった)。

 ポートキーで移動する時の感覚は不快だというのは普遍的な見識で、本当に最悪とまでは言わなくても、吐き気やめまいやそれ以上を催すことがある。癒者は、お年寄り、妊婦、体の弱っている者はポートキーの使用を避けることを勧めている。この提言によって、やっかいな親戚がポートキーを準備しなくなったため、多くの魔法界の家庭のクリスマスが救われた。


J.K. ローリングのことば
「ポートキー」という名前はフランス語の「porter (ポーター)」–運ぶという意味−そして秘密や策略という意味の”key”から来ています。自慢するのは好きではないのですが、私は本物のポートキーを持っています−アメリカのラポルテへの鍵です−ファンサイト「マグル・ネット」の創設者、エマーソン・スパーズからもらいました。


著: J. K. Rowling/訳: MORE 4 JP

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