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ホグワーツの絵画
Hogwarts Portraits
ホグワーツの絵画は、話したり絵画から絵画へ移動したりすることができ、被写体のように振る舞う。しかし、絵画を見ている人とどの程度交流することができるかは画家ではなく、描かれた魔女や魔法使いの能力によって決まる。
魔法の絵画を描くとき、魔女や魔法使いのアーティストは当然、絵画が確実に普段通り動くことができるように絵に魔法をかける。絵画は被写体の好きなフレーズを言ったり、大まかな振る舞いを真似したりすることができる。それゆえ、カドガン卿の絵画はとめどなく人々に戦いを挑み、馬から落ちるといったかなり不安定な振る舞いが見られる。彼を描くはめになった気の毒な魔法使いの目には、彼はそういう風に映っていたということである。一方で、太った夫人の絵画は、絵のモデルが亡くなった後も美味しい食べ物やお酒、最上のセキュリティに興じ続けている。
しかしながら、この絵画のどちらも彼らの人生の容貌よりも複雑で著しく深い議論をすることはできないだろう。彼らは文字通りにも比喩的にも2次元であり、アーティストの見ていた生きている被写体の描写にすぎないのだ。
生の世界とかなりの交流ができる魔法の絵画もある。伝統的に、校長は死ぬ前に絵を描かれる。肖像画が完成すれば、被写体の校長はそれに鍵をかけて保管し、定期的に物置を訪れて (そう望めば) 彼らの正確な行動や振る舞いの仕方を教える。そして、書斎で後継者に何世紀も共有されるであろう全ての有益な記憶や知識のかけらを分け与えるのだ。
数世紀にわたって、校長の絵画たちが持つ知識と洞察の深さは、現職の校長と書斎を訪れたとき絵画が眠っているのは演技だと気づいたほんのわずかな生徒以外には知られていない。
著: J. K. Rowling/訳: MORE 4 JP
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