ナイトバス
The Knight Bus
「フルーパウダーはうんざりだ」「姿現しは信用ならない」「高所恐怖症だし吐き気がするからポートキーは使いたくない」という魔女や魔法使いのために、ナイトバスがある。ナイトバスは、緊急で移動手段が必要なときに杖腕を歩道の縁に突き出せば現れる。
紫色の3階建てのバスには、日中は座席が、夜はベッドがある。あまり快適ではないため、勧められたとしても熱い飲み物を注文するのはおすすめしない。1つの場所から次の目的地まで一瞬の忠告だけですっ飛んでいくバス内でそんなことをしたら、大量にこぼしてしまうだろう。
ナイトバスは、たまにマグルの世界からアイデアを拝借する魔法社会 (それを滅多に認めることはないが) の比較的現代的な発明である。未成人や老弱した魔法使いが安全かつ目立たずに利用できる移送手段の必要性はしばらくの間認識されており、様々な提案がなされてきたが (タクシースタイルの補助席のついた箒や、セストラルに吊り下げられたカゴに乗せて運ぶ方法など)、すべて魔法省に却下された。ようやく、魔法省大臣のドゥガルド・マクファイルがマグルの「比較的新しいバスのサービス」を模倣することを思いつき、1865年にナイトバスが路上に乗り出した。
一部の魔法使い (主に熱狂的純血主義者) が「マグルもどきの冒涜」と呼んでボイコットする意志を日刊予言者新聞の読者投稿で表明したが、ナイトバスは今日でも忙しく走り回っており、界隈の大部分で大いに人気を集めていることを証明している。
J.K. ローリングのことば
ナイトバス (The Knight Bus) という名前をつけた理由は、第1に、「knight」は「night」の同音異義語であり、通常の交通手段の営業が終わった夜にイギリス中で夜行バスが走行しているからです。第2に、「knight (騎士)」には救出しに来る、守るという意味が含まれるため、最後の頼みの綱としての移動手段として使われることの多い乗り物にふさわしいと考えたのです。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の運転手と車掌は、私の2人の祖父、アーニストとスタンリーから名付けました。