ダームストラングはかつて11の魔法学校の中で最も評判が悪かったが、全く美点がなかったというわけではない。真に偉大な魔女と魔法使いが多数集まってきたダームストラングが、疑わしい忠誠心や極悪非道な犯意を持つ魔法使い達の管理下に2度、悪名高い元生徒の管理下に1度落ちたことは事実である。

　その望ましくない男達のうち最初の1人、ハーファング・マンターは、創設者である偉大なブルガリアの魔女、ネリダ・ヴァルチャノヴァの不可解な死後すぐに学校を乗っ取った。マンターはダームストラングにおいて決闘や戦闘的という評判を築き、今日のカリキュラムにも印象深く残っている。ダームストラングの歴史上2度目の闇の時代は、校長カルカロフと共にやってきた。元死喰い人でヴォルデモート卿の亡命からの回帰に際し、その報復を恐れて職を捨て逃げた。カルカロフは無節操で自分勝手な男で、生徒に恐怖の支配や脅迫の修練を奨励し、彼の在職中は多くの保護者が子どもをダームストラングから引き上げさせた。

　他の誰よりもダームストラングの評判に傷を負わせた元生徒はゲラート・グリンデルバルドであり、20世紀の最も危険な魔法使いの1人だった。しかしながら、ここ数年ダームストラングはある種の復興を遂げており、クィディッチの世界的スター、ヴィクトール・クラムのような輝かしい権威も輩出している。

　ヨーロッパのはるか北に位置していると信じられているが、ダームストラングは全ての魔法学校の中で最もその所在地が謎であり、誰も確信を持っていない。訪問者は辿り着くまでの記憶を忘却呪文で消されなければならないのである。彼らによれば、広大で不規則に広がった土地では数々の素晴らしい景色が見られ、夏に生徒が飛び込む学校の裏の山の湖には、暗い幽霊船のような素晴らしい船が漂っている。